理事インタビュー

ともに考え、ともに生き、ともに支えあう仲間を求めています。

ともに考え、ともに生き、
ともに支えあう仲間を
求めています。

理事 露木 里恵

Rie Tsuyuki

Q1.訪問看護師になったきっかけをお聞かせください。

看護師となり総合病院の脳外科・心臓外科に入職し、救急の医療を学んでいましたが、その際いつも「この後この方々はどこに行くのだろう、どんな暮らしをするのだろう」と考えていました。
命は助かったけれども病気や障害を抱え、暮らしづらい状態でどう暮らしていくのだろうと気になっていました。でも、流れていく毎日の中でそのことを考える暇もなく、いずれ考えることもなくなるのが怖かったのを覚えています。
そんな怖さからいったん看護という仕事から逃げだしたのですが「訪問看護」という学生時代には習うことがなかった「地域」で「家」で暮らし続ける人の看護の分野ができた際にもう一度看護に向かい合いたいと講習を受け訪問看護師になりました。

Q2.ステーションの立上げから、多職種での運営に広げていった経緯をお聞かせください。

私自身が白血病になり訪問看護を受ける立場になった経験から「同じようにどんな病気や障害を持っても帰りたい家、暮らしに利用者さんを帰す!」と決め、一人で訪問看護を開始したのです。しかし、看護の役割だけでは人の人生、その周りの人とのつながりをつなぐことができないと感じ看護とは違う役割を持ったケアマネジャーやヘルパーと同じ理念をもって仕事がしたいと考えました。

Q3.理事として意識してきたこと、大事にしてきたことはどのようなことですか?

私は自分の人生を人に決められたくない。生き方も死に方も同じです。そして私がそうなんだから誰でもそうだと思うのです。
でも医療(病院)や福祉(施設)の中ではそれは当たり前にならないことが多いと感じていました。
人が人として当たり前と感じることに対してそれぞれの価値観の違いはあっても寄り添いたい、理解したいと考えました。そしてその人の当たり前を受け止めたいとも考えました。
病気になっても障害になってもその人らしい生き方・死に方をちゃんとその人から聞きたい、聞いたら「その想い」をかなえたいと思い続けています。

Q4.これからの展望や、今後何を目指していきたいかをお聞かせください。

私も十分に年を取りました。そうしたら利用者さんと自分との境目が小さくなってきたと感じています。いつか境目はなくなるのでしょう。
だから、看護師として「してあげるとか、して差し上げる」のではなく「共に生きる」「共にできなくなったことは補い合い、できることは自分ことも他の人のことも一緒にやる」に変わっていっています。
訪問看護を始めたころは「目の前の利用者さんのためにできることをする」仲間が増えてからは「それをみんなで考えながら行う」そして年を取った私たちは身近な他人とより繋がっていく、つながるためには他者の価値観を受けいれる、そして老いることを受け入れる。目指すのは究極のいいおばあさんです。

Q5.若い世代にメッセージをお願いします。

自分に正直でわがままでいてください。
こんな世の中です。世の中のすべてを当たり前として受け入れてはいけません。自分の考える「良きこと」「好きなこと」「悪いこと」「嫌いなこと」ちゃんと自分の胸に相談し決めてください。
人の考えは変わるものです。でも自分は何者か、何をすべきか、考え続けてください。自分は自分でしかないし、そんな自分を愛するために!自分ではない他人と寄り添うために!